生研公開2015

English version is here.
はじめに
松浦研究室 生研公開2015のウェブページへようこそ。
2015年度も、東京大学生産技術研究所 駒場リサーチキャンパスでは、6月5日(金)と6月6日(土)の2日間にわたり研究所の一般公開を行います。
松浦研究室では、当研究室で取り組んでいるセキュリティに関する研究の展示を行います。

日時
2015年6月5日(金) 10:00 - 17:00
2015年6月6日(土) 10:00 - 17:00
研究内容
暗号
暗号学的難読化と代理再暗号化技術
暗号学的な安全性を満たすプログラム難読化が近年注目を集めています。今回は、識別不可性難読化と呼ばれる弱い安全性を満たす難読化技術を用いて代理再暗号化技術という高機能公開鍵暗号を構成する手法について紹介します。
属性ベースSigncryptionの内部者(外部者)安全性について
属性ベースSigncryptionは属性ベース暗号と属性ベース署名を一つのプリミティブとして構成し高効率化を実現する方式です。属性ベースSigncryptionやその内部者(外部者)安全性などについて紹介します。
マルウェア対策
コンパイラ変更に対して頑強なマルウェア検知・分類手法
同種のマルウェア同士であっても、その類似度は生成に用いられたコンパイラの違いによってが大きく低下するという問題があり、マルウェア検知・分類の精度に悪影響を与えます。本研究では、コンパイラの推定に基づいて、この精度低下を防ぐ手法を提案します。
情報セキュリティと経済
日本におけるポイント制度のセキュリティインシデントに関する分析
近年、企業のポイント制度同士で互いにポイントを交換できるシステムを利用したセキュリティインシデントが頻発しています。安全で便利なポイント制度の構築を目標として、インシデントの分析を行っています。
デジタルフォレンジックス
制御システムにおけるライブフォレンジックの適用可能性に関する検証
制御システムにおける脅威が現実のものとなっています。制御システムがサイバー攻撃を受けた際、制御動作に対する影響を最小化してデータ保全を行う手法を評価します。
ネットワークセキュリティ
TCP再送タイマを悪用した低量DoS攻撃被害の緩和
TCP再送タイムアウトの機構は、インターネットの通信輻輳制御に大きく役立っていますが、これを悪用した低平均通信量での通信妨害攻撃が既存研究で指摘されています。この低量DoS攻撃の被害緩和策とその効果の評価結果を紹介します。
プライバシ保護
匿名通信システムTorにおけるウルフウェブサイトの提案
匿名通信システムTorは送信者と受信者のつながりの匿名性を守りますが、指紋攻撃はこれを破る攻撃として脅威が高いとされています。本研究では、この攻撃の防御手法としてウルフウェブサイトを提案します。
網羅的な攻撃者モデルを考慮したTorブリッジ機構の強化
Tor は世界中で広く使われている匿名通信ツールであるが、その匿名性は十分に分析されていない。公開されている中継リレーをブロックすることによるアクセス制限も Tor への脅威となりえるが、この脅威に対処するために Tor はエントリーポイントとしてブリッジと呼ばれる非公開リレーを利用することができる。しかし、現在のブリッジ機構の脆弱性はまだ十分に調査されているとは言えない。本研究ではさまざまな攻撃モデルのもとでブリッジ機構の脆弱性評価を行う。そして、現在のブリッジ機構を我々が提案する新たな二種類のブリッジ機構と比較し、Tor のセキュリティとパフォーマンスの与える影響について論ずる。

IIS Open House 2015, Matsuura Lab.