生研公開2017

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はじめに
松浦研究室 生研公開2017のウェブページへようこそ。
2017年度も、東京大学生産技術研究所 駒場リサーチキャンパスでは、6月2日(金)と6月3日(土)の2日間にわたり研究所の一般公開を行います。
松浦研究室では、当研究室で取り組んでいるセキュリティに関する研究の展示を行います。

日時
2017年6月2日(金) 10:00 - 17:00
2017年6月3日(土) 10:00 - 17:00
研究内容
暗号
継続的補助漏洩に対して耐性のある ID ベース暗号の構成
秘密鍵の情報が一部漏洩しても安全性が保たれる漏洩耐性暗号が注目されている。漏洩耐性暗号には様々な安全性モデルがあり、その中で継続的補助漏洩モデルが最も望ましいモデルである。本研究では、継続的補助漏洩モデルで安全な ID ベース暗号の構成を初めて提案した。
機械学習
Deep learning をだます画像の検知
深層学習によって画像認識の技術が発展し大きく精度を上げているが、人間とは異なった面で大きく判定を誤ってしまう画像の存在も指摘されており、これは学習器に対する攻撃になりうる。本研究ではそのような画像を検知するための手法を提案した。
ブロックチェーン
ブロックチェーンを用いた電子投票システムの動向調査
今日の選挙では紙を用いた投票が主流になっている。しかし、改ざん耐性や正確 な集計作業、人件費の安さの観点からブロックチェーンを用いた電子投票に注目 が集められている。今回はブロックチェーンを用いた電子投票システムの現状と 問題点について調査結果を報告する。
ブロックチェーンとその応用技術の安全性
ブロックチェーンは、多数が参加する安全システムを、信頼されるサーバ無しに構築できる可能性を持つ、分散台帳技術である。ビットコインに代表される暗号通貨など への応用が進むこの技術の安全性について、最新の研究を紹介する。
Webセキュリティ
クロスサイトスクリプティング攻撃に対する脆弱性の静的解析と評価
XSS攻撃は常に首位を争う脅威となっている攻撃であるが、検知するツールについて、精度は低く、オブジェクト指向で、かつスクリプト言語において顕著である。また、脆弱性判定の基準が解析ツールの利用者には不明瞭であることが多い。本研究ではこれらの提案・実装を行う。
認証技術
音楽を利用したフォールバック認証手法
本稿では、既存のフォールバック認証方式から残されたユーザビリティと記憶力とのトレードオフに基づいて、新しいフォールバック認証方式MusiAuthを提案した。 また、32人の参加者に複数回にわたって個別のインタビューを行い、提案を評価した。
匿名通信
Tor秘匿サービスへの攻撃に対抗する偽装トラフィックの生成と運用
Tor秘匿サービス(HS)プロトコルは4種類あるが、観測により区別出来ると知られている。本研究では、機械学習を用いた分類器にとって、HSトラフィックと紛らわしいトラフィックにより分類精度を下げ、HSの匿名性を上げることに成功した。

IIS Open House 2017, Matsuura Lab.