生研公開2019

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はじめに
松浦研究室 生研公開2019のウェブページへようこそ。
2019年度も、東京大学生産技術研究所 駒場リサーチキャンパスでは、5月31日(金)と6月1日(土)の2日間にわたり研究所の一般公開を行います。
松浦研究室では、当研究室で取り組んでいるセキュリティに関する研究の展示を行います。

日時
2019年 5月31日(金) 10:00 - 17:00
2019年 6月 1日(土) 10:00 - 17:00
研究内容
暗号
多項式的逆変換困難漏洩耐性を持つ強偽造困難な電子署名
秘密鍵や乱数等の秘匿情報に関する何らかの情報が仮に漏洩したとしても安全性が維持される事を保証する漏洩耐性は、実用的に重要である。本研究では、先行方式と比べ、より多様な漏洩(多項式的逆変換困難漏洩)が発生し得る状況下において、より強度な安全性(強存在的偽造困難性)を達成可能な、電子署名方式の提案を行った。
公開鍵暗号のReplayable CCA環境下での安全性概念間の等価性について
RCCA安全性はCanettiらによって提案された安全性であり、CCA安全性を緩めた安全性である。 このRCCA安全性は、認証や鍵交換など多くの応用で十分であることが示されている。 彼らはNM-RCCAという安全性を提案したが、その定義はNM-CCAの自然な拡張になっておらず、その妥当性が不明である。 本研究では、RCCA環境下におけるシミュレーションベース及び、識別不可能性ベースの頑強性の定式化を行い、その関係性を明らかにする。
秘密計算における検証可能な秘密分散プロトコル変換
いくつかの従来研究によると、秘密計算は異なる特性のプロトコル間で変換でき、混合プロトコルとして効率的に実行できる。 本研究ではSPDZプロトコルに基づいた検証可能な共有プロトコルによる変換のアプローチを提案する。 SPDZプロトコルは、算術秘密分散においてシェアを参加者が検証するのに役立つ。この変換アプローチでは、他のタイプの共有プロトコルに変換されている間、共有された値のセキュリティレベルを保つことができる。
仮想通貨
匿名通貨のアーキテクチャに関する分析とその応用研究
仮想通貨にとってプライバシーを保護することは非常に重要な意味を持ちます。私達は、代表的な匿名通貨のアーキテクチャを比較し、匿名性、トランザクション性能、使い勝手などに関するトレードオフを分析した上で、実社会への応用に取り組んでいます。
仮想通貨のマイクロペイメントチャネルに関する研究動向
ブロックチェーンは仮想通貨の基盤システムとして利用されているが、単位時間あたりに処理できるトランザクション数が少ないというスケーラビリティ問題を抱えている。スケーラビリティ問題改善に向けて提案された、トランザクションをブロックチェーンの外で処理するマイクロペイメントチャネルと呼ばれる手法を紹介する。
分散台帳
POW型ブロックチェーンの安全性証明
ブロックチェーンは、多数が参加する合意システムを、信頼されるサーバ無しに構築できる、分散台帳技術です。暗号通貨などへの応用が進むこの技術について、ビットコインでも使われている、proof-of-work(POW)を用いたブロックチェーンの安全性証明とその知見を紹介します。
マルウェア対策
悪性スクリプトの動的解析
悪性スクリプトによる攻撃が拡大している。挙動を監視する動的解析という対策が期待されているが、スクリプトエンジンの実装を人手で分析して動的解析ツールを作成するのは、膨大な作業量を要し現実的でない。この解決のため、本研究では、スクリプトエンジンを自動で分析し、動的解析ツールを自動生成する手法を提案する。
ディジタルフォレンジック
Android端末におけるデジタルフォレンジック技術
近年、デジタルフォレンジックと呼ばれる、電磁的記録からの情報収集や分析を行う技術の重要性が高まっています。その中でも、Android端末におけるデジタルフォレンジックの技術について、最近の研究動向等を紹介します。

IIS Open House 2019, Matsuura Lab.