仮想通貨・ブロックチェーン
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Proof-of-Verificationの負荷評価
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ブロックチェーンを利用した暗号通貨であるBitcoinは、ブロックが生成し続けられることでシステムの健全性を保っています。ブロックの生成は成功報酬付きの早い者勝ち方式で行われます。これには計算量が掛かるため、ブロック生成者(採掘者)はそれ以外の計算を省く動機を持ちます。ブロックにはコインの移動を表すトランザクションデータを多数入れますが、その正当性の確認、特に署名の検証は暗号学的計算が必要なため、省略の第一候補になってしまいます。そこで署名検証済みのブロックであることを示せるようにした、Proof-of-verification(PoV)が提案されました。このPoVの負荷評価について紹介します。
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外部トラストアンカーを必要としないPermissioned 分散台帳間の相互接続
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Web3の普及に後押しされ、任意参加型(Permissionless)分散台帳と比べて利用コストが安価な委員会運用型(Premissioned)分散台帳が企業利用で多く実用化されています。これらのPermissioned分散台帳を孤立させず・効率的に利用するため、分散台帳間の相互接続が求められています。その際に、Permissioned分散台帳に記録された情報の正当性が外部から検証困難であることが課題となっています。先行研究では公開分散台帳などの外部トラストアンカーを用いて検証性を確保する手法が手法が提案されていますが、追加の利用コストが発生します。本研究では、安価に利用できる相互接続手法の実現を目指し、外部トラストアンカーを想定しないブロックチェーン相互接続の定式化とその実現手法を提案します。提案手法を利用することで、トラストアンカーの仮定が不要になり、利用料を回避した分散台帳間の接続が可能になります。
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Ethereum 2.0における高速かつ安全なコンセンサスプロトコルの提案
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Ethereum 2.0 において採用されているコンセンサスプロトコルであるLMD-GHOSTに対して、その安全性を脅かす攻撃が多く報告されています。そこで安全性を証明可能なコンセンサスプロトコルが必要ですが、先行研究であるGoldfishは、Δをネットワーク最大遅延として1スロットにつき3Δラウンドが必要な構成です。本研究では、Goldfishにおけるブロックの提案フェーズおよびブロックに対する投票フェーズを並列化することにより、1スロットにつき2Δラウンドの構成で安全なプロトコルの提案をおこないます。1スロットにかかるラウンド数が減ることにより、トランザクションの処理速度が向上し、スケーラビリティの向上につながります。
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