松浦幹太. ``ディジタル・トークンの不確定性と二項モデルによるリスクヘッジ評価''. 情報処理学会研究報告, CSEC-13, pp.31-36, May 2001. (全文(PDF))
(Abstract) セキュリティ技術のおかげで電子取引可能になるトークンには、価格変化以外にも不確定性リスクが伴う。例えば、その使用に必要な証明書等の信頼度が時間的に変化すれば実質的な価値も変化せざるを得ない。この種の変化は予測不可能であり、リスクが生じる。本稿前半では、そのようなトークンを、4つの属性(価格、価値、時刻印、内容)を有するsecurity token(setok)としてモデル化する。
近現代金融は、ディリバティブ評価理論によってリスクヘッジ実務を大きく発展させた。より動きの速いディジタルの世界では、評価理論はさらに重要となろう。本稿後半では、二項モデルに従う単純な一次元価値setokを例に取り、リスクヘッジ評価の基礎理論を示す。
(Keywords) 電子取引, トークン, ディリバティブ, リスクヘッジ, 二項モデル.

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