田村 仁, 松浦幹太, 今井秀樹. ``審査能力について考慮した多次元トラストメトリックに関する考察'', 2002年暗号と情報セキュリティ・シンポジウム(SCIS2002)予稿集, Vol.I, pp.103-108, Jan. 2002. (全文(PDF))
(Abstract) 公開鍵を利用したインフラが広がるにつれ、相手や相手の鍵に対する信頼の問題はますます重要になってくる。今までにも信頼度の定量化(トラストメトリック)に関する研究はいくつもなされており、中でも[BBK94]では信頼度を6つのクラスに分類しながらもそれらに対して汎用的な定量化がなされている。しかしながらその中で「エンティティが実情とかけ離れた信頼情報を発するかどうか」に関わるクラス(non-interference)については、他の5つと並行して議論すべきではないと考えられ、そのクラスの不正や誤りに対する感度が高いという問題がある。本論文では、まずこのような問題点を整理し、その改良方法を提案する。また提案方式について典型的な信頼度分布を仮定して数値実験による従来方式との比較を行い、その結果、提案方式によって不正に対する感度を下げることができることを示す。さらに、既存の方式では見られなかった、多次元出力方式を提案する。
(Keywords) トラストメトリック, 信頼度, 審査能力, direct trust, recommendation trust.

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